
緊迫するウクライナ情勢を受けて、多様な角度から世界の今を考えるオンライン講座を開催します。
ロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻。激しい戦闘で多くのウクライナの人々の命と暮らしが奪われ、戦後の安定を保ってきた国際的な秩序も大きく揺さぶられています。
「なぜロシアはウクライナに侵攻したのか」「世界・日本への影響は」
ウクライナ軍事侵攻の現在・見通し、背景について、NHK記者として、旧ソビエト時代からロシアを取材してきた元モスクワ支局長 NHK解説委員の石川一洋さんが、ご参加の皆さんからの質問にもこたえながら、わかりやすく徹底解説します。
ロシアによるウクライナ侵攻は、一般のロシア人から見ても唐突に思われた。ところが、メディア統制も相まって、国民の大多数がこの戦争を支持するに至っている。一方、プーチンの見込みと異なり、ウクライナ人の大半はこの侵攻に対して頑強に抵抗しているように見える。なぜこのようなすれ違いや誤認が生じたのか。本講義では、ロシア社会や思想における伝統的なウクライナ観やウクライナとの関係の歴史を紐解いたうえで、特にソ連崩壊から今日にまで至る時期におけるロシア社会の屈折に着目し、その背景を探る。
2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻は、世界を震撼させた。本講義は、既存の理論・思考枠組みをいったん脇に置いてまず、
①何がどうして起こったかを、プーチン氏の思考法やロシアの政治体制をも交えて、見つめなおすこととしたい。そののち、
②それを冷戦後の米国とNATO、国連のあり方、自由民主主義と権威主義などの文脈に照らして分析したのち、最後に、
③今後どのように事態が展開しそうか複数のシナリオを検討し、いかに対処してゆくべきか考察することとする。
ウクライナ語の簡単な挨拶・会話を学びながら、ウクライナについて考えてみませんか。
講師は、東京外国語大学非常勤講師の小川暁道さんと、キーウ言語大学で日本語を教えているナウモワ・ユリヤさんです。
ユリヤさんは現在、戦火を逃れポーランドに避難しています。
ウクライナの国と文化について、また、現在の状況について、日本とポーランドを結んでお話しいただきます。質疑応答の時間も設けます。
ロシアによるウクライナ侵攻は何故おきてしまったのでしょうか。
ロシアとウクライナは同じ民族で、同じ言語で、同じ宗教を持ち、同じ歴史だっのではないか。そもそも原点のロシア帝国とは「どんな理念」で形成された国だったのか。民族学の視点からあらゆる疑問を考えます。
「ローマ帝国」の継承とは何か。スラヴ民族の「心」となる宗教「正教およびロシア正教」とは何か。また「西欧カトリック」とどんな関係にあるのか。
そして「ソ連」とは「どんな思想」で形成されどんな実態を持った国だったのか。ソ連解体のゴルバチョフの理念とは。
1989年のアフガニスタンでのソ連の敗北と冷戦終結。タリバン政権の誕生と2001年911を機に始まった対テロ戦。そして20年を経た2021年8月、最強の軍事同盟NATOとアメリカの敗北と新タリバン政権の誕生。2014年のロシアのクリミヤ併合を契機とし今年2月24日ウクライナ開戦に続く旧冷戦構造の復活。これらアメリカvsロシアを主軸とする国際情勢の変動を背景に、一帯一路構想が拡大するアジア全域。香港、ミャンマー、ウイグル、台湾問題が象徴するアメリカvs中国の対立が参入する新冷戦構造の中で、アメリカの「不沈空母」とも称される日本の将来は?
スラブ音楽を愛し、ウクライナで20年間指揮者を務める高谷氏。「素朴で温かい」同国での音楽活動は、氏の音楽観・人生観に大きな影響を与えました。同国は現在厳しい戦争下にあります。母国語を度々奪われてきたウクライナの人々にとって、自由と希望を守り抜く決意は並々ならないもの。高谷氏が学んだスラブ魂とは。戦火の音楽仲間が高谷氏に託すメッセージとともにお伝えします。
今日の「ウクライナ」は、ユーラシアの遊牧騎馬民族の雄「スキタイ」の故地でした。ユーラシアとヨーロッパの「境界」にある、東西の「神話・芸術」を交流させた「草原文化」の地です。
ゆえにヨーロッパの基層文明を築いた「ケルト」と、ユーラシアの「スキタイ」は、知られざる共通項をもっています。なぜ神話で語られる「ケルトの神器」と「スキタイの神器」(そして日本にも関係する)が似通っているのか。
またケルトとスキタイの生命感溢れる「動物デザイン」の共通点はなにか。危機にあるウクライナの地と、古代の東西交流に光を当て講じます。