記憶なしでは、文字通り、私たちは何者でもありません。それほど全人的な（あるいは生命的な）問いが、これまで哲学で一つのジャンルを形成してこなかったのは、思えば不思議なことです。その状況が今、世界的に急速に変わりつつあります。そのタイミングで現代の知見、分析的なアプローチ、そして思想史の掘り返し、これら三つの複眼的な視点で見渡してみることはきっと重要なヒントを与えてくれるはずです。一緒に、記憶の哲学という未開拓の地平を、少し散策してみませんか。

※カリキュラムは順番が変更になる場合もございます。