「千年斧を加えず」と言われる奈良の春日山原始林は西暦８４１年の狩猟伐採禁止令以来、基本的に手つかずで守られてきました。また、鹿と共存する特殊な森でもあります。スギの巨木をはじめ、モミ、イチイガシ、クス、フジなどの老木も点在し、一部ナギばかりの純林が形成され、天然記念物に指定。今回は旧興福寺境内だった奈良公園から原始林を散策、珍しい樹木や損傷しながらも逞しく生き抜く老木を前に、木の生理、森の生態を樹木医の視点で語り、その神秘な魅力を伝えます。また、環境問題として我々の暮らしと密接に関わっている森林の大切さを知っていただければと思います。原始林を皆さんと楽しく歩きましょう。