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							今回は精神病理学の基本である統合失調症についてじっくりお話しします。具体的な症例を詳しくみながら、折に触れてうつ病や神経症などの他の病気にもふれていきます。
							フロイトやラカンをはじめとした精神分析や、様々な思想家の考察も出てきますが、その都度補足をしていきます。
						

今回は精神病理学(精神医学)の名著を読みます。中井久夫が西欧精神医学の理解のためヨーロッパ史にふみこんだ書籍から、現象学やハイデガーに影響を受けて現存在分析をあみだしたビンスワンガー、それを継承し深化させたブランケンブルク、そしてメランコリー(うつ病)の研究で知られるテレンバッハの代表作です。

							日本の精神病理学をけん引してきた中井久夫や木村敏らの仕事や理論は、精神医学という分野を越え、著作をとおして現代を生きる私たちの考え方にも影響をもたらしているといえます。今回はとくに中井久夫を中心に、そのテクストに沿いつつ再考することを目標に据えます。
							いくつかの主著を取り上げますが事前知識は不要です。
						

							臨床現場にて精神分析を行う際、アート、特に絵を用いることはとても治療的です。描かれた絵をもとに予備的診断を行ったり、その絵について語ったりすることが治療に影響することがあります。そのような精神分析は、画家の作品や絵を描くときの心の動きを捉えることができますが、同時に絵を鑑賞する側の心の動きも明らかにすることができます。つまり、絵画を読み解くことで自分自身を知ることができるのです。
							本講義では、日本における様々な名画を精神分析の観点を用いて読み解いていきます。また受講生の方にも絵を描いてもらい(上手い下手ではなく)。自分自身を知る体験をして頂きます。アートと精神分析の関係を体験しながら学びます。
						
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							米国の哲学者ナンシー・フレイザーさんが来日中です。フレイザーさんはこれまで、労働・人種・ジェンダーの観点を重視しながら現代の資本主義を分析されてきました。日本では『資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか』(ちくま新書・原題『Cannibal Capitalism』[共喰い資本主義])が広く読まれています。
							また近年はジェンダー理論やフェミニズムがエリート主義的になることに対して警鐘を鳴らすなど、批判を恐れぬ言論活動を続けてこられました。
							今回は京都にて、招聘に尽力した國分功一郎講師(哲学)司会のもと、白井聡講師(政治学)とじっくり対話します。仁科斂講師が通訳で参加します。
						

							欲望論哲学は、超越論的自我論・他我論、発生的現象学、生活世界論と継続されたフッサール現象学を、エロス論・価値論の原理によって、その先の人間と社会の普遍認識の地平へと展開する試み。
意味と価値の原理論としての「欲望論」第一巻・第二巻を総括しつつ、社会認識の原理論となる第三巻の全体構想へと踏み込む。中心主題は、社会の普遍認識は可能か、哲学は肥大化した現代資本主義社会を克服することができるか。
						

							「人間とは何なのか」それを見据えた近代の人たちを「モラリスト」と呼んでいます。「道徳家、モラハラのモラ」などとは全然違います。
 何がどう違うのか、モラリストで有名なのが「人間は考える葦である」といった「パスカル」や、何処にもない理想郷「ユートピア」を描いた「トーマス・モア」とか「エセー」のモンテーニュも知られます。彼等の人間洞察を紹介します。
						
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							いま私たちは混沌とした世界を生きている。大国が覇権を争い、戦争がいたるところで勃発し、そして人間が独占していると思われた知性も新しい技術によって劇的に代替されようとしている。そのなかにあって、言語や認識の問題だけでなく、自然や国家、そしてわたしたちの現実そのものを考えるためにも、この講座では〈哲学史〉を広い観点から捉えなおすことにしたい。
							各回古典的な著作を基本一冊取り上げ、その歴史的文脈と現代的意義を解説します。
						

							ベルクソンの「奥の間」まで最短コースでご案内します。
どうして私たちは時間が現在だけでないことを知っているのでしょうか。どうして私たちの人格にはその全人生が刻まれていると言えるのでしょうか。時間を心につなぐものこそ〈記憶〉である--『物質と記憶』で知られるベルクソンの哲学、その持続や意識の理論は、記憶という「奥の間」にまで立ち入ることで初めてその本当の顔を見せ始めます。
本講座では、近年出版され「伝説の名講義」と称されるベルクソン『記憶理論の歴史』(コレージュ・ド・フランス講義録)を、1年2期にわたり丁寧に読み解きます。ベルクソンが語る心の哲学、時間の捉え方のきめ細やかなディテールに迫り、記憶と生の理解を深めてみませんか。
						
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							本講座では初学者を対象に、難解とされるエマニュエル・レヴィナスの思想をわかりやすくご紹介します。
レヴィナスは20世紀、主としてフランスで活動した哲学者で、その独特な「他者」概念によって知られています。私たちは日常生活から政治においてまで幅広い場面で「他者」と遭遇するけれど、彼らとどのように出会い、語らい、共に生きていくことができるのでしょうか。「責任」「ケア」「民主主義」「共生」などをキーワードに、レヴィナス思想の現代的意義を考えてみましょう。
						

							『差異と反復』は、20世紀フランスを代表する哲学者ジル・ドゥルーズが、哲学史家として研鑽を積んだ後、初めて自分自身の哲学を披歴した主著です。哲学史のコラージュという独自の方法を採用したゆえに、指折りの難解さで知られ、さまざまな誤解もなされてきたこの著作を丁寧に読み解いていきます。
今期で上巻・第二章を読了します。この箇所は精神分析の前提知識が必要となるうえに、著作全体でも屈指の難易度で知られます。できるだけ精神分析を知らない方もわかるような仕方で、知識を補うように解説していければと考えています。
						
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							哲学好きはもちろん、はじめての方も大歓迎!
							気楽に語ろう、森羅万象。
							テーマの大小に関わらず、今、私たちが向き合わないといけない課題を、講師を軸に受講生で話し合います。
							★お菓子付き。
						
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							認識論(物の見方や知識のありかたを考える哲学)は、存在論や倫理学と並んで、古代ギリシア時代から続く哲学の一大分野です。
この講座では、認識問題に哲学者たちがいかに取り組んできたのか、そして、認識の本質を明らかにすることが私たちの生活にどのように関係するのかを、全12回で考えていきます。前編では、ソクラテス以前の哲学者たち、古代懐疑主義とプラトン、近代認識論を扱います。
本講座は講師の新著(『認識批判の哲学』(仮題))の内容と連動しており、現在考えているプランや草稿の一部を受講生に提示しながら議論を進めます。哲学初心者も大歓迎です。講座後にメールでの質問も受付けます。一緒に認識論を平らげましょう。
						
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							グローバル資本主義と宗教原理主義や民族主義の過激化、帝国主義の回帰と戦争、パンデミックとインフォデミック(デマの疫病)…。激動する現代世界を考えるには、日々のニュースを追うと同時に、長期的な問題を原理的に考え直す必要があります。
今期は前半でトランプから出発して現代の諸問題を考え、後半では原理的・長期的なパースペクティブから思想や理論を考えていく予定です。
なお、各回の内容は講座の進行に応じて変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。
						
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							『負債論』の公刊からすでに15年ほどがたつが、このテキストの直接の文脈をなす2008年の金融危機が暴露した資本主義の金融化とその破滅的状況は、それ以降も不可逆的に進行し、世界はカオス的様相を呈しはじめている。
							道に迷ったときこそ、わたしたちは大きな視野が必要なのだ。こういってユーラシア大陸5000年史に着手した人類学者デヴィッド・グレーバーの大著は、ますますその意義をあきらかにしている。
							本講座では、近年の負債にかかわる研究の進展も参照しながら、『負債論』の意義を確認し、現在のわたしたちの世界の動きを深部からつかむ、その努力の一端にふれてみたい。
						
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「詩編」は、古代イスラエルの人々が神に対して歌い上げた「讃美」と「嘆き」の歌です。嬉しいことも悲しいことも、すべてを神の御前にありのままにさらけ出しながらつむぎ出された「詩編」の言葉は、現代に生きる私達の喜び悲しみと深く響き合い、困難な現実を生き抜くための光と導きを与えてくれます。 詩編全体に対する優れた注解を残したアウグスティヌスの『詩編注解』も随時紹介していきます。日本語訳に基づいてわかりやすく説明していきますので、特別な予備知識は必要ありません。なお、「詩編」は一つ一つが独立した詩の集まりになっていますし、基本的なことはあらためて御説明しますので、今期からの参加で全く問題ありません。
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「新約聖書」の中に含まれている四つの福音書の中で最も古く、最も簡潔な「マルコ福音書」。わずか16章の中に、イエスの歩みが力強く描かれています。イエスの新しい教えと奇跡、弟子たちとの交わり、権力者たちとの緊張関係、民衆の様々な反応。その中でイエスは十字架への道を歩んでいきます。権力者への鋭い批判、社会の底辺への深い共感、本当の愛とは何かという深い問いかけ。格差と分断に満ちた現代世界を生きる私達の心に、二千年の時を超えて響く普遍的メッセージがここにあります。聖書に初めて触れる方から、聖書にある程度馴染んでいる方まで、様々な方に御満足いただけるよう、バランスを取りながら解説していきます。
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							日本におけるキリスト教は、キリシタン時代から数えれば、400年以上の歴史が経過し、また明治6年のキリシタン禁教の高札撤去からでも、すでに150年の歴史が存在しています。これは、さまざまな 重要で興味深い出来事が起こるに十分な期間です。この間、時代は江戸幕府から明治維新、そして太平洋戦争を経て現代に至っています。
							本講座では、この日本キリスト教をめぐる歴史をたどり、それによって、これまで不鮮明なまま隠されてきた日本の姿に迫ることを試みます。
							「日本キリスト教史を学び、合わせて日本について考えること」これが本講座の目標です。
						
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							遠藤周作(1923~1996)は、日本におけるキリスト教信仰の可能性を探った信仰者であり、日常の中で「母なるもの」のまなざしを見出そうとした小説家であります。遠藤周作の作品を通して、私たちの中に潜んでいる温かい人間性が見出されると同時に、現実の中で様々な困難に遭遇し途方に暮れている私たちが慰められ、また勇気づけられると思います。皆様を遠藤周作の文学世界にお招きいたします。
							
							作品を読まれていればより理解が深まりますが、読んでいなくてもかまいません。お気軽にご参加ください。
						
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2500年前に仏教が生まれた頃の「教え」というのは、釈迦が目の前の一人ひとりに語りかける断片的な言葉でした。釈迦亡き後の弟子たちは、その断片的な言葉を元にして、「仏教とはなにか」を語る巨大な本をつくりました。その、釈迦の教えから作られた巨大な仏教哲学書のことをアビダルマといいます。そのアビダルマの世界観を一から順に解説していきます。
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仏教には膨大な数のお経(ブッダの教え)が残っていますが、今期は、釈迦の言葉を色濃く反映した最古の仏教経典である「阿含経」の中から、楽しい物語なども含まれた「長阿含経」「中阿含経」を取り上げてご説明します。仏教が世界宗教としてきらびやかに飾り立てられる前の、素朴で奥ゆかしかった時代の姿を知ることができます。
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							今から約2500年前のインドに誕生した仏教は、現代にいたるまで多くの人々の心のよりどころとなってきました。
	
							この講座では、はじめて仏教を学ぶ方やあらためて学びなおす方に向けて、仏教の基本的な思想を仏典などの資料を読み解きながらわかりやすく解説します。いつもの見慣れた世界も仏教的な視点をもつことで少し違ってみえてきます。
							ぜひ一緒に勉強してまいりましょう。
						
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							NHKEテレ「100分de名著」出演講師が人生と仏教を考える
							<講師のことば>
							学生時代に陥った鬱と自己嫌悪を仏教との出会いによって乗り越えることができた。それ以後、独学で仏教を学び、中村元 東大名誉教授との出会い、博士号取得、毎日出版文化賞受賞、NHK-Eテレ「100分de名著」出演・・・に至るまで、仏教とは本来何だったのかを探究してきた。私の人生に即して仏教の現代的意義を考えたい。
						
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							その難解さで敬遠されがちだった『御義口伝』が、今解明される。
							奇しくも日蓮生誕800年の年の「100分de名著 日蓮の手紙」に出演した翌月、生誕500年出版の『御義口伝鈔』の古文書を受講者から贈呈され一念発起。原始仏教とサンスクリット語を中村元博士の下で学び、法華経と維摩経をサンスクリット原典から現代語訳して研究を重ねてきたことをフルに発揮して『御義口伝』に挑んだ。
							原稿を一読した編集者は「本来の仏教がいかなるものかよく分かる」「日蓮は極めて近代的な思想家だ」「仏教は人間を根本とする人間主義の思想だ」と感想を語り、一気に出版が決定。その書籍に基づいた講義である。
							(2025年4月から1年かけて読み解きます)
						
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							【講師のことば】
							人間の尊さを慈愛の眼差しで見つめ、それを巧みなる譬喩によって語る「人間尊重の文学」とも言える『法華経』は、これまで、鳩摩羅什訳が名訳であったことから漢訳で読まれてきました。この講座では、サンスクリット語からの現代語訳(27章全編)を通して、信仰としてだけでなく文学・思想としても丁寧に読み込んでいきます。
						
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							「西の元政、東の芭蕉」「江戸時代随一の詩人」として、江戸時代の水戸黄門として知られる徳川光圀に尊敬され、井原西鶴、北村季吟、小林一茶らに影響を与え、松尾芭蕉からはライバル意識を持たれた法華宗の僧侶にして文学者であった元政上人の人と作品を通じて、「諸法実相」「一念三千」などの法華経の思想を読み解く。
							それは、仏教用語を用いないで法華経に説かれる人間観、生命観、宇宙観、自然観を詩や文章で表現したものであった。人間の心が宇宙大であることや、永遠の今を生きる境地を表現した詩を味わうと、生きる喜びと力が全身にみなぎってくる。
						
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							1世紀頃に興った仏教の二大思潮の一つ「大乗仏教」の歴史を学びます
							この講義では、インド密教の壮大な歴史と深遠な思想を、全六回にわたって探求します。初期密教の萌芽から、中期密教における思想的展開と曼荼羅・その実践の確立、そして後期密教において拡大するタントラ思想と実践法まで、時代ごとの変遷を丁寧に追っていきます。インド密教がインド文化、ひいてはアジア全域の精神世界に与えた多大な影響を紐解くことを目指します。
							
							第1回 密教のはじまり・仏教における密教の位置
							第2回 初期密教の文献―その思想と実践
							第3回 中期密教の思想基盤―大乗仏教と密教
							第4回 中期密教の文献―その思想と実践
							第5回 後期密教―加速するタントラ化
							第6回 後期密教の文献―その思想と実践
						
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大乗仏教は般若経の空の思想から始まりましたが、その萌芽は既に釈尊の教えを伝えた初期仏典に見られます。仏教教団は釈尊が亡くなられた後、20ほどの部派に分裂し、初期仏典もそれぞれの部派が伝承し解釈するようになりました。2~3世紀に活躍した龍樹は、その部派の固定化・硬直化した理論体系を批判すべく、般若経の空の思想に基づき、彼独自の空思想を展開しました。講座では龍樹の主著『中論頌』における空の思想について、その思想的背景やその生涯、後世に及ぼした影響も視野に入れて考えていきます。
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2024年10月期に続き、ゾロアスター教をその周辺の諸宗教とともに概観します。インドで栄えたクシャナ朝、グプタ朝などとイランとの思想交流がメインになります。

							トルストイやユング、シュヴァイツァーなど、世界の偉人が愛読した書
							『老子』は五千字余りの小さな書物ですが、中国古典の中で『論語』と並んで最もよく読まれてきました。『老子』には、宇宙と人間存在の根源を探る「道(タオ)」の思想や、無為・自然の思想、あるいは、「足るを知り」しなやかに生きることの大切さを説く文など、深い叡智に満ちたことばが数多く出てきます。一方、『老子』は作者についても成立年代についてもわからないことばかりで謎に満ちた書物でもあります。本講座では、『老子』をめぐる謎を説明するとともに、二千年にわたって読み継がれ、今なお私たちの心に響く『老子』のことばにじっくりと耳を傾けます。
						
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							古来リーダーたちが学んできた四書五経の一つ『論語』を読む
							論語を初めから読んでいきます。『論語』は2500年以上も前の中国の孔子の言行録です。時を経る中で、様々な解がなされてきました。貴重な成果ではありますが、各時代や立場のニーズに応じた解となっている場合があることも否めません。本講座ではそれらの解を踏まえつつも、各章段の言葉の意味を大切に、孔子の言わんとするその思いをできるだけ純粋に味わいたいと思います。各章段からは、人生に関わる金言・修養についての教え、そして政治に関する提言など多岐にわたる事柄が読み取れます。それらの言葉は、現代にも欠かせない人間存在の基本として大いに心を打つものと思います。古くて新しい「人」としての有様を味わいましょう。
						
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							徹底的に丁寧にじっくり指導 古来必読の四書五経の一つ孟子を読む
							漢文はかつて東アジア漢字文化圏における共通語でした。教養として学ぶに値すると思います。
漢文を学ぶメリットは2つあります。1つは、翻訳を介さずに中国の古典を味わえること。もう1つは、日本語の成り立ちについて理解が深まること。中国の古典や日本語に興味がある方にお勧めの講座です。
漢文のなかでも屈指の名文である『孟子』を読みながら、漢文を読むコツをじっくりと学んでゆきます。孟子の思想についても解説しますが、目的はあくまでも「漢文を読めるようになる」ことです。予備知識は要りません。かんでふくめるように徹底的にていねいに指導します。受講すれば漢文が読めるようになることをめざします。
						
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